2023年10月07日

革について

革の種類と特徴について

ファッションアイテムの一つでもあるかばんの素材には様々なものがあり、加工の仕方もそれぞれ異なります。 仕上げ方法によっても特徴は違ってくるため、使用する際は扱い方に注意する事が大切です。こちらでは、革製品の仕上げ方法の種類についてご紹介いたします。

エナメル

フォーマルな場面で活躍する事の多いエナメル革はパテントレザーと呼ばれる事もあり、元となる皮革にウレタン樹脂などを塗布します。 光沢感があるのが特徴で撥水性に優れている事から、かばんだけでなく靴の素材としてもよく使われます。

ぎんつき革

ぎんつき革の「ぎん」は革の「表面」を意味しており、表面をそのまま活かして使われるため、素材はキズのない良質なものが選ばれます。 革の特徴を活かされる事で革本来の風合いや魅力を楽しむ事ができ、革独特の味のある変化から愛着も湧きやすいでしょう。

ガラス張り革

一般的に動物の皮を製品として使用するには「鞣す」という加工過程があります。ガラス張り革の加工では、鞣す際の乾燥段階でガラス板に張り付け、乾燥させた後にサンドペーパーで磨いて銀面を均一にします。塗料や合成樹脂を塗布して仕上げていくため、革そのものが丈夫になり裁断もしやすくなります。

型押し

型押しは革の表面や裏側からプレスして加熱し、凹凸を作る方法です。色々な型を作る事ができ、加工出来る素材も幅広い事から、様々な面で取り入れられています。ブランドロゴの印字にも型押し加工が活用されている事が多いです。

スエード

革の肉側をサンドペーパーなどで起毛させ、ベルベッドのように加工したものをスエードと言います。小動物の皮を使って加工される事が多く、やわらかいのが特徴として挙げられます。肌触りが良いという点から、かばんの他に洋服の素材としても人気があります。

原料皮革の種類と特徴

バッグにこだわりがあり、ブランドバッグを多く持っているという方もいらっしゃると思います。ヴィトンやシャネル、エルメス、アナスイなど、人気のブランドにもいろいろあり、デザインや素材も様々です。 こちらでは、バッグの素材としてよく使われる原料皮革の種類とその特徴についてご紹介いたします。

牛革

皮革の中でも最も利用されているものに牛革があります。古くからある皮革の一つで、仕上がりが美しい事からバッグや靴といったファッションアイテムを始め、家具にも使用される事があります。 牛の月齢や性別によって名称は違い、牛革の中でも高級品として扱われているものとしてカーフスキンが挙げられます。一般的に革製品に多く用いられるものは、ステアハイドという生後2年を経過した雄牛の牛革です。

豚革

ピッグスキンとも呼ばれている豚革は、汎用性が高く柔軟性に優れており、グッチなどの高級ブランドにも取り入れられる事があります。日本の皮革は輸入されるものがほとんどですが、豚革は国内で飼育から製造まで行っている唯一の皮革です。 革の表面には三つずつ毛穴が並んでいるという特徴があり、通気性の良さから靴の中敷きに使われたりバッグに毛穴のデザインを活かしたりしたものもあります。

ワニ革

高級皮革の一つとして知られているのが、特徴的な凹凸があるワニ革です。アリゲーターやカイマン、クロコダイルといったものが主な品種であり、クロコダイルは最上級の素材であると言われています。 鱗の配列や鱗片の数によって品質や貴重性が変わってきます。バッグや財布だけではなく、ベルトや時計のバンドなど様々な製品に使われます。

ダチョウ革

ダチョウ革はワニ革同様に高級皮革の一つに数えられていて、オーストリッチとも呼ばれています。革を作る際に羽毛を抜いた箇所が丸く突起しますが、この痕の事をクイルマークと言います。クイルマークがダチョウ革独特の模様を生み出していて、皮革全体でも少数にしか見られない事から貴重性が高いとされています。 ヴィトンやグッチ、ボッテガ、シャネルといったブランド品に使われる皮革はいろいろあり、品質が良くても長い間使用していると徐々に劣化してしまいます。

本革と合皮の違い

おしゃれアイテムの一つでもあるかばんですが、使用される皮革の種類は様々で、近年は本革だけでなく合皮を使ったものも多く販売されるようになりました。どちらにも魅力があり、それぞれ特徴が異なります。 こちらでは、本革と合皮の違いについてご紹介いたします。

本革

本革は耐久性に優れており、長く愛用する事が出来るという魅力があります。使い始めは革自体が固い場合もありますが、使用していくにつれ徐々に馴染んで柔らかくなり、独特な風合いが生まれます。 傷つきやすく水に弱いという面も持ちあわせていますので、こまめなお手入れが欠かせません。

合皮

合皮にはポリウレタンや塩化ビニールなどが使われ、本革よりも耐水性があり、汚れにくくお手入れが簡単、またはほとんどお手入れが必要ない場合もあります。一般的には本革よりリーズナブルで気軽に購入出来ますが、本革に比べて耐久性が劣り、本革独特の風合いの変化もあまり見られません。

見分け方について

様々なアイテムがある革製品は、技術の向上にとともに本革と合皮の違いが分かりにくくなってきています。 そこで、本革と合皮を見分けるポイントをご紹介しますので、お悩みの際の参考にして頂ければと思います。

断面

見分けるポイントの一つとして、革の断面が挙げられます。本革の場合は繊維質が網状の層になっているのに対し、合皮は元となる布などにプレスや塗装を行う事によって革のように見せています。 断面が見えるアイテムの場合は、ぜひ注視してみてください。

匂い

匂いは本革と合皮を見分けるための大きなポイントと言えます。 本革は革独特の匂いがしますが、合皮は匂いがしなかったり石油のような匂いがしたりする事があります。天然の本革がどんな匂いなのかを覚えておくと良いでしょう。

手触り

エナメル加工だと分かりにくいのですが、本革には本来の凹凸やしわがあるのに対し、合皮は引っかかりがなくつるっとしている事があります。また、合皮は通気性に劣るため長く使っていると汗ばみが出来てきますし、不自然な柔らかさがある場合は合皮の可能性が高いでしょう。 本革と合皮では、お手入れの方法が異なります。違いを見分けて正しいお手入れをする事で、気に入った皮革製品を長く愛用する事が出来るでしょう。

愛着のあるものだからこそ長く使う

愛着あるものは長く使いたいものです。特に、経年変化が楽しめる革製品を1日でも長く愛用したいと思っている方も多いでしょう。 岡山県倉敷市にてバッグ修理を行っている当店では、愛着のあるバッグや靴などをもう一度使えるように修理・補修いたします。プロの靴・バッグ修理でなければ蘇らない製品もありますが、日頃のお手入れを見直すと寿命を延ばす事も出来ます。 こちらでは、革製品を長持ちさせるコツをご紹介いたしますので、お持ちの革製品を長く楽しみたい方はぜひお役立てください。

日々使う事が長持ちの秘訣

革製品は使うたびに手の脂が表面につくのですが、その手の脂が革の保護を行います。つまり革製品は日々使う事自体がケアであり、革製品の持ちに繋がっているのです。 大切なバッグや靴だからとしまいこんだままにしてしまうと干からびやカビなどが発生してしまいますので、革製品は日々使ってあげるようにしましょう。ただし、休みなく使うと傷みが早まりますので、適度に休ませる事も必要です。

使用後はお手入れを

革製品は呼吸をしています。しかし、革の表面に汚れがついてしまうと汚れにより呼吸が出来なくなってしまいます。 呼吸が出来なくなってしまうと傷みに繋がります。革製品は、使用後しっかりとお手入れをしましょう。 ブラッシングで汚れやホコリを落とし、乾いた柔らかい布などで革の表面を拭いてください。そうする事で革製品はまた呼吸を始め、革独特のツヤが保たれます。

保管は直射日光を避ける

太陽光に含まれる紫外線は、革の変色や退色の原因になります。このような変色や退色は革独特のツヤを損ねてしまいます。 また革は天然素材なので、一度変色や退色をしてしまった場合は元に戻せない事もあります。 そうならないためにも、革製品を保管する際には直射日光を避け、風通しの良い場所に保管する事を意識しましょう。

岡山で靴修理なら

岡山県倉敷市にて営業している当店では、革製品の靴・バッグ修理を行っています。キズ・ほつれ・破れ・擦れ・色あせの補修、内張り交換、ファスナースラース(持ち手)・ファスナー部分の交換などをいたします。 当店は、岡山県はもちろん他の都道府県からのご依頼も承っておりますので、革靴の修理をお考えでしたら、お気軽にご相談ください。皆様の大切な革製品を、心を込めて修理いたします。